随想録発売〜〜!!おめでとうございます!!



皆さんもう届いてゲーム始めたのでしょうか?
それともドラマCDから聴いていたりとか??
多分私もがっついてしていると思います(笑)


カウントダウンの締めくくり!沖千SSです。
カウントダウン2日前の沖千漫画と一応つながっています。
まだ見ていない方はそちらをお先に見ることをお勧めします(^.^)

沖田さんはうちのサイトっぽいヤキモチ焼きの沖田さんです。
巡察とか、指南稽古には一生懸命ですが、書き物の仕事とかを少しおざなりにしている沖田さんです。
そんな沖田さんでも大丈夫!という方はお読みくださいませ。

ではど〜ぞv






「寝不足の理由」





「さあ、カウントダウンも無事に終わったんでしょ?続きを…」
「ちょ、ちょっとちょっと!沖田さん!」

総司が千鶴の言葉など構わずに上に覆いかぶさって、首筋に吐息を絡ませてくるからたまらない。
思わず千鶴は手で総司を押し退けようとするのだけど…

「・・・・・僕を退かすなんて、100年早いよ」

びくともしないで、そのまま続けようとする総司の唇は、千鶴の首筋を捉えてそっと柔らかく唇を落とす。
総司の柔らかな髪が耳や首筋に当たって、それとともに首筋に沿ってなぞるように唇を落としていく。

こ、こんな昼間っから…誰か来たら…

総司のことは大好きだし、嫌じゃない。
時と場所を考えないで自分の思うようにする、今の状況は確かに困ってはいるけれど、でも・・・
心のどこかで嬉しいと思う気持ちが確かにあって。
総司に触れられるたびにその気持が千鶴を満たしていってしまう。

…こ、このままじゃダメ!!なんとかしなきゃ…

「お、沖田さん!」
「・・・・・・・・」
「沖田さん!!」

その呼びかけにようやく総司はふう、と軽く息を吐いて、目線だけを千鶴に向けて、手はそのまま胸元を緩めようとしながら、
「何?止めてくださいっていうのは聞かないよ?」

自分の意見だけを千鶴に告げると、そのまま胸元へ顔を寄せようとする総司の頭を千鶴はがしっと掴んだ。

「・・・・千鶴ちゃん、何の真似?」
「あ、あの・・・・」
「・・・そう、そんなに僕とは嫌なの」
「い、嫌なわけ!」
「じゃあ、いいじゃない」

にこっと微笑まれて、その微笑みに千鶴が弱いと知っていて、総司がわざとしているように思える。

「あ、あの・・・お話をしたいです」
「・・・・話?」

こんなこと止めてください!と、てっきり怒られると思っていたのに・・・
千鶴の話をしたいという言葉に総司は首を傾げた。

「はい…沖田さんと最近お話してないですよね」
「・・・・そういえば、そうかな?」

一緒にいる時間はたくさん。いれる時は必ず一緒に。
けれど、その時は大抵…

「沖田さん、最近いつもお昼寝しちゃうでしょう?」

今日は眠ったふりだったみたいだし、眠くはなさそうだ。それなら…

「お話、したいです」

この状況を何とかしようという手段でもあるけど、でも、そう思っていることは本当。
のんびり二人で話すことが最近ないから、少しさみしく思うこともあった。だから・・・

そんな千鶴の気持は総司にも届いて。
う〜ん・・・と惜しむように、総司は仕方なく千鶴の襟の乱れを直してやる。
そうして、千鶴の顔を覗き込むようにしながら、

「何話すの?」
「え、え〜と…」

何話す?と聞かれると、つい言葉に詰まってしまうけど、千鶴はそれでも最近ずっと聞きたかったことを、素直に聞くことにした。

「沖田さん、最近お昼寝よくしてますけど、夜眠れないんですか?」
「夜?」
「はい…夜眠れないから昼に眠ってしまうのかと」

何か悩み事でもあるのだろうか?と、総司が膝の上で気持ち良さそうに眠っているのを見ながら千鶴は毎日考えていた。

「夜は…眠れないけど」
「やっぱり!…何か、困っていることでもあるんですか?あの、その…私じゃあまり力になれないかもしれないけど…」
「違う違う」
「?」

自分が毎日昼寝をしていたことで、そんなことを千鶴が気にかけていたとは思いも寄らず、慌てて否定する。
でも自分の知らないところで、自分のことを心配する、そんな千鶴の気持が嬉しくて、
総司は自然に笑顔を向けた。

「夜ね、夜は仕事してるんだ」
「仕事?巡察とかですか?でも毎日はないですよね?・・・」
「あ〜・・・本当なら昼にやらなきゃいけない書物事を、夜自室に持ち込んでしてるから」

だから寝不足になるんだよね〜仕事多いんだよ、とブツブツ言う総司に、千鶴は矛盾を覚えた。

「あの…昼のお仕事って…でも、最近お昼寝ばかりですよね?」
「うん」
「・・・・今日も指南稽古とか、見廻り以外のお仕事、もしかして…あるんですか?」
「うん」

しれっと言う総司に千鶴は開いた口が塞がらない。

「だ、だめじゃないですか!昼に出来ることは昼にしないと…今からしてください!私部屋に戻り・・・」
「ほら、そう言うでしょ」
「・・・え?」

腕を組んではあっと長い溜息をついて、むっとする総司に、千鶴はよくわけがわからない。

「だって、休憩の時くらいしか君に会えないじゃない」
「・・・・・そうですね」
「休憩なんて短いんだからすぐだよ?すぐ」
「そ、そうですね」

でもそれは仕方ないんじゃ…
総司だけが短い時間ではない。皆、短い休憩を満喫するしかないのだ。

「それにさ、僕が休憩じゃない時に他の変なのが君に懐いていたら、やだし」
「・・・・・・・え?」
「その点、僕が昼の仕事を夜に回して、昼君といたら…誰も寄ってこないでしょ?」

なんてことないように言葉を紡いでいく総司。
だけど、聞く方の千鶴はなんてことなくはない。どんどんおろおろしていく。

「沖田さん…気にしすぎです。心配しなくても誰も近づいて来ないですよ」
「へ〜この間、左之さんにお饅頭もらってたよね」

間髪入れずに総司が目を細めながら、言葉を返して来る。
思い出しながらむっとしたのか口も尖らせて。

「そ、それは…お土産で、私だけじゃなくてみんなに…」
「君だけに。だったみたいだよ?」

口は笑っているけれど、目は全く笑っていない。
そして続け様にどんどん…

「この間、土方さんに頭撫でられてたでしょ」
「あれは…長い時間手伝ってくれてありがとうっていう…」
「平助もこの間君に鏡買って来てたね…」
「あれは…あれもお土産ですよ?」
「斎藤君は暇さえあれば君とお茶飲んでるし」
「あっ私の淹れたお茶がおいしいって、気に入ってくれたみたいで」

会話を重ねるごとに総司の声は低くなり、機嫌はみるみる悪くなっていく。

「あの・・・本当に妹のようにかわいがってくれてるんですよ、皆さん優しいですよね?」

どこが妹なんだ!どこが!?
ただの妹のような存在にここまで構うだろうか、いや、そんなことはない。
自分と同じような目で千鶴を見てる。
言っても言ってもわからない…もう少し僕以外には警戒してくれないと…
この鈍くて鈍くて…だけどかわいすぎるこの子、どうにかできないかな・・・

総司が心の中でそんなことを思っていると、千鶴は懲りずに同じことを言う。

「えと、ですから、安心して仕事してください。夜はちゃんと眠ってくださいね」
「・・・・・・・・・・わかった」
「よかった…沖田さん、あの・・・」
「でも君が僕の言うこと聞けるならってことだけど」
「はい?」

千鶴の言うことなんて到底聞く気はない。
隙あらば近づこうとする馬鹿ばっかりだし。
最近膝枕してもらってるから、平助や左之あたり、冗談とかでしてほしいとかぬかすかもしれない。
そうなったら千鶴はきっとおたおたしながらも膝を貸すような気がする。

想像するだけでもむかむかする。
こんな状態で、部屋にこもって仕事なんか無理。
だったら、千鶴が絶対承服できないことを言うまで。


「君が、自分はかわいい。誰よりもかわいい。男はみんな私を狙ってる。って思うようになったら、ね」

しばしの沈黙の後、みるみる千鶴の顔色が変わっていく。
戸惑うのを通り越して、そんな難題をふっかけてくる総司に、どうしたらそんな発想が出てくるのか、そんなの思える訳がないと息を荒げて、

「そんなの無理に決まってます!もう!沖田さんおかしいですよ!?」
「おかしくないよ?本当のことなのに。僕はいたって普通…」
「じゃないです!もう…」

千鶴の予想通りの反応に、けらけら面白そうに笑う総司に、先ほどの発言はどれほど本気で言っているのかわからないけど、
結局振り回されていることに、少しだけ抵抗を見せて、両腕で胸をとんとんと軽くこずくように叩く。

「沖田さん、一つ忘れてます」

いじけたように、千鶴はぽそっと呟いた。

「え?何?」

ようやく笑いがおさまってきて、は〜と落ち着けるように息をついた総司に、千鶴は真剣な顔を向けた。

「私の気持ちです」
「・・気持ち?」
「はい…私が好きなのは、沖田さんです」
「・・・・・・・」
「私のこと、信じてくれないんですか?」

最後の言葉だけ口を尖らせて、拗ねたように自分を見上げてくる少女が愛らしくてたまらない。

「千鶴ちゃんのことは信じてるよ?」
ただ、男の好意に対して、あまりにも鈍感だから、不安になるのは仕方ないよ。
…鈍感とか言ったら、また拗ねるんだろうな、そんな顔も好きなんだけどね?

「でもさ…それだけじゃないよ、なるたけ一緒にいたいじゃない?」
総司は千鶴のおでこと自分のおでこを合わせて、そのまま千鶴の目をじっと見つめる。
目の端に映る千鶴の頬がほんのり赤く染められていく。

「君が好きだから、そう思うのは仕方ないよ」
総司がそっと千鶴の唇に指を添える。

「君は違うの?」

少し困ったように笑いながら、千鶴をじっと見て。
千鶴の頬がさらに赤く染まられていくのを目に留めて、僕と同じだよね?と囁くように確認する総司の頬も少しだけ色づけられていく。









「僕は、自分の気持ちに我慢はしたくない。だから、君といる」


言葉の終わりとともにそっと訪れた口付けは、他には何もいらないと思えるような、甘くて甘くて優しいもの。

これ以上ないくらい好きなのに。

これ以上好きになるなんて無理だと思うのに。

それでもどんどん、どんどん、好きになっていくのに際限はなくて。

毎日、毎日、昨日より、好きになっていく。

君を。あなたを。







END





書きたいことはもっと山ほどあったのだけど、相変わらず長くなりそうなのでまた別の機会に(笑)
この流れの終わり方だと、結局冒頭に話が戻る気がします^/^
千鶴大好き過ぎな総司さんしか書けなくてすみません(汗)
ではでは、皆さま随想録楽しんでくださいね!