こちらは…『しし日々』の文月様のブログで書かれていたことに私が反応して…
沖田さんと千鶴ちゃんが二人で一つのかき氷を〜というところから、二人で(おもに私が笑)妄想していて。

「そんなSS書こうかな」
「是非〜!そしたらチュー絵描かせてください」

そんな話で(割愛しすぎ笑)

そしたらね、絵を送ったら(絵はこちらに)…は、半日でSSが出来ていたんですっ!!(尊敬)

SSLはどちらかと言うとCPではなく、みんなで賑やかに笑わせてくれるのが多いので。
SSLで沖千!CP!!しかも…甘いっ!!
そんなものを頂いて、喜びがはちきれそうです…はちきれた!!

私が有頂天になった沖千SS…是非、お読みくださいv









ドキドキ★お揃いサマーレッド

※SSL。お付き合い設定です。




高校生になってから初めての夏休み。
一つ年上である総司と付き合って初めての────待ちに待った夏休み。

千鶴は一人悩んでいた。

「や、やっぱり……大胆だった、かも……?」

その声に答える者はおらず、千鶴は自分の身体を見て今更ながら後悔をしていた。



◇◇◇



一日中鳴いてばかりの蝉に、茹だるような暑さ。

これでもか、とばかりに出された夏休みの宿題が終わっても休み明けにはテストが待っている。
毎年8月の終わりになると夏休み前半のツケが回って、宿題に翻弄されている者も少なくない。

しかし────。

そんな辛いことばかりではないのが夏休みである。
夏といえば、花火にお祭り、そして────…。


総司に誘われたのは終業式が終わった後だった。

『ねぇ。明後日、海行かない?』

夏休みといえば海だよね、と言われて千鶴は二つ返事で頷いたのだが。
海に行くのなんて久しぶりで、水着がないことを後で気付いたのだ。

慌てて水着を買いに行ったのだが、種類が多くてどれを買ったらいいのかが分からない。
困った千鶴はショップ店員さんに勧められるがままに試着をしていき、

『これが一番お似合いですよ〜』

という言葉に乗せられて無事買うことは出来たのだが……。



◇◇◇



「今更だけど……恥ずかしくなってきちゃった」

店員に勧められたのはピンクのドット柄でフリルのついたビキニだった。
ピンク色がいいな、と言った千鶴の希望通りの水着ではあったのだが。

「水着の部分が少ない気がする……」

幼馴染の平助と海に行ったことはある。
でもビキニではなかったし、それに何よりそれは本当に小さい時の話。
海に行くのも水着を着るのも久々のことだった。

砂浜に備え付けられた簡易更衣室でいざ着替えようとして、改めて恥ずかしさが込み上げてきた。

「水着で出て行くの恥ずかしいな」

なかなか出て行く決心がつかないのだが、そのままいつまでも更衣室に留まっている訳にもいかない。
既に総司は自分を待っている筈だろう。

何より、自分より後から入ってきた他の女性が自分よりも先に出て行く様子がさらに焦りを与えてくる。

「恥ずかしいけど……総司さん待ってるだろうし」

せっかく誘ってくれたのだから、いつまでもここにいてはいけない。
総司の顔を思い浮かべ、千鶴は恥ずかしさを堪えて更衣室を出ることにした。



◇◇◇



「もしかして一人ですか? よかったら私たちと────」
「ごめんね、彼女待ってるから」

今ので既に5組目。
千鶴を待っている間に声を掛けられた数である。

「千鶴ちゃん、遅いな。何してるんだろ」

呟いてみるものの、大体の予想はついていた。

「どうせ、水着が恥ずかしいとかそんなとこだろうけど」

だから自分から海に行こうと誘ったのだ。
総司が誘えば千鶴はなんだかんだで頷いてくれるから。

夏休みに入ったばかりなのに早速海に誘ったのも理由があった。

「これで水着に慣れてくれたら次も誘いやすいしね」

8月に入ったら少なくとも2.3回は行けるだろう。
そんな目算をしての誘いだった。

「すみません、今暇ですか?」
「ごめんね、全っ然これっぽっちも暇じゃないから」

人のいい笑顔で声を掛けてきた相手を一刀両断すると、つと後ろから声が聞こえてきた。

「お…お待たせしました」

振り返って見れば下を向いたまま、直立している千鶴の姿がそこにあった。

「す、すみません。着替えに手間取ってしまって」
「……………………」
「……? 総司さん?」

返事がないことに千鶴が思わず顔を上げてみれば、目の合った総司が慌てたように言った。

「あ、あぁ。遅いから心配したよ。あれだね、千鶴ちゃん」
「あれ……って何ですか?」

「フリルで胸の大きさがカバーされてるね」
「────!!」

その言葉で千鶴は顔を真っ赤にした。

確かに人に自慢出来るほどの胸ではないのは自分でもよく分かっている。
総司の言葉を聞いて、もしかして店員がフリルを勧めたのはそれが理由だったのではないかと思ってしまった。

やっぱり着るべきじゃなかったかも。
そう思っていると、総司がふと千鶴の手を握ってきた。
顔を見上げれば、そこには少し困った顔でこちらを見る総司の姿があった。

「ごめんごめん、冗談だよ」
「でも、小さいのは事実ですから」
「だから冗談だって。一瞬、何て言えばいいか分からなくなっちゃって」
「……?」

千鶴が何のことだと首を傾げると、総司が顔を耳元に寄せて囁いた。

「千鶴ちゃんが可愛すぎるのが悪いんだよ」
「そ、総司さんっ!」

先程とは違う羞恥が顔に集まってくる。

どうしてこの人はこういうことをさらりと言ってくるんだろうか。
そういうのは胸の内にしまってくれていていいのに。
そう思いつつも、総司の言葉に千鶴は顔を緩ませた。

「大丈夫だよ。胸なんて今からいくらでも大きくなるんだし」
「総司さん、あまり慰めにはなってないです」
「うん、慰めてるつもりはないよ。今から大きくするのは僕だし。期待しててよ」
「そっ! そういうことは言わなくていいんです!」

総司に手を引かれながら怒ってみれば、少し前を歩く総司がちらりとこちらを向いた。

「……照れ隠しだって、分かってよ」

よく見れば、耳の辺りが少し赤いような気がする。
もしかして、自分の水着姿を見て……だろうか。

(恥ずかしいけど……嬉しい)

総司の冗談のおかげか、気付けば更衣室を出る前のあの恥ずかしさはあまり感じなくなっていた。
もちろん全くないと言えばウソになるが、それよりも目の前にいる総司と楽しみたい。
そんな気持ちが大きくなっていた。

「ところで千鶴ちゃん。何で僕の方、あんまり見てくれないの?」
「え? あ、えっと────」
「ん?」

総司さんの引き締まった身体を直視出来ないからです。
とは本人に言えず。

「何でもありません! き、気のせいです!」

と、苦しい言い訳にもならない言い訳を口にした。

「ははっ、分かりやすいね、千鶴ちゃんは」



◇◇◇



「はい、千鶴ちゃん」
「ありがとうございます」

一通り海で遊んだ後、少し休みたいと申し出た千鶴に総司がかき氷を買ってきてくれた。
それを受け取りながら、千鶴は疑問を口にする。

「総司さん」
「ん? どうかした? 千鶴ちゃんが食べたいって言ったイチゴ味だよ?」
「いえ、そうではなくて」
「もしかして練乳かけたのがよかったとか?」
「いえ、味はこれで問題ないんですが」

千鶴は隣に座る総司の手元を見遣った。

「何で総司さんは何もないんですか? さっき、自分も食べるって言ってなかったですか?」

『何味が食べたい?』
『イチゴがいいです』
『イチゴね、了解。僕もイチゴにしよっと♪』

そんなやりとりを数分前にしたばかりである。

「食べるのやめちゃったんですか?」
「ううん? 僕も食べるよ」
「でも、一つしか買ってないですよ?」
「うん。だから、僕もそれを食べるの」
「あぁ、そういうこと────って、え? これを?」

繰り返すように聞けば、総司はうんと頷いた。

「一つ全部を一人で食べると頭痛くなりそうだし、千鶴ちゃんもお腹壊しちゃいけないから僕と半分こ」
「お腹?」
「だって、平助君が言ってたんだよ。 『千鶴、小さい時に欲張ってアイスを3つ食べて腹壊したことあるんだぜ』って」
「へ、平助君〜」

自分の知らない間にそんな恥ずかしい話をされていたなんて。
千鶴は今ここにいない平助の顔を思い浮かべると、心の中で文句を言った。

(平助君だって、あの時は一緒にお腹壊したのに〜)

「ね? 早く食べよ。溶けちゃうよ」
「え? あ、そうでしたね」

千鶴が慌てて持っていたスプーンでシロップをシャカシャカと混ぜ始める。
一通り混ざったそれを一掬いすると、次の疑問が出てきた。

「でも総司さん。スプーンが一つしかないですよ?」
「僕はこれで食べるから」

そう言うと総司はそのまま千鶴が掬ったかき氷をパクリと口にした。

「うん、美味しい。やっぱりかき氷はイチゴだよね」
「……そ、総司さん」
「食べないの? あ、もしかして食べさせてほしいとか? それなら早く言ってよ」
「え? い、いえ、そういうわけでは────」

しかし千鶴が言い終わる前に、総司は千鶴からするっとスプーンをとると掬って千鶴の口元へと持ってきた。

「はい、千鶴ちゃん。あーんして?」
「あの、自分で食べられますから……」
「はい、あーん♪」
「………………」

すごく楽しそうに言うので、反論出来ず。
千鶴は恥ずかしさを我慢して、パクっとそれを口にした。

「どう? 美味しい?」
「…………美味しいです」
「だよね♪ はい、じゃあもう一口」
「……頂きます」
「じゃあ次は僕の番ね?」

そんな、食べつ食べさせつつを繰り返しながら、二人は先程まで海で遊んでいたことを振り返る。

「結構長い時間泳いだね」
「そうですね────って、総司さんは私の浮き輪にずっと掴まってた気がしますけど」
「そうだっけ?」
「そうですよ。総司さん、全然泳いでなかったように思います」

千鶴がそう言えば、総司は「うん」と当たり前に肯定する。

「元々泳ぐのが目的じゃないしね。千鶴ちゃん放っておいて泳いでも楽しくないでしょ」
「でも、だからって、その……くっつき過ぎだったような気も……」

千鶴が段々と言葉尻を小さくしながら言う。
海に入っていた時、どちらかというと総司は浮き輪に掴まっていたというよりかは、千鶴に抱きついていたと言った方が正しかった。

「あそこまでくっつかなくてもよかったんじゃ……」
「ああでもしないと、他の男共が近寄ってきちゃうかもしれないじゃない」
「そ、そんな人はいないですよ!」

いきなり何を言い出すのか、と千鶴が反論する。
しかし総司は頑なに首を横に振った。

「千鶴ちゃんは気付いてなかったかもしれないけど、周りにいた独り者はみんな君を見てたんだよ?」
「そ…それは総司さんの勘違いですよ」
「勘違いじゃないよ。千鶴ちゃんは僕のものだって、周りに教えておかないとね」

言われると照れてしまうことを、総司はさらりと口にする。
まるでそれが当たり前のように言う為、さらに羞恥が襲ってくる。

「さ、さっき照れ隠しだとか何とか言ってたのに、何でそんな恥ずかしいこと言うんですか!」

そんな怒り口調も、総司にはまるで効かない。

「あぁ、更衣室の前でのこと? だからあれは千鶴ちゃんが悪いんだよ。そんな水着、着てくるから」
「────! こ、これはその、店員さんに勧められて」
「その店員さん、いいセンスしてるね。思わず照れちゃったもの」
「〜〜〜〜〜! ですから、そんな恥ずかしいことを────」
「僕たちが恋人同士だって周りが分かってくれていいじゃない。千鶴ちゃんの彼氏は僕ですって」

牽制になっていいんだよ。
そう言う総司に、千鶴は少しの反論を見せた。

「……それを言うなら総司さんだって」
「え?」

総司が思わず聞き返せば、千鶴はさらに小さい声で呟いた。

「……それを言うなら総司さんだって、さっき女の人に声掛けられてたじゃないですか」

総司の頭からすっかり消去されていた記憶が戻ってくる。
千鶴を待っている間に何人かに声を掛けられていたことを。

「見てたの?」
「……何だか、ちょっと嫌な気持ちになりました」

見てた、とは言わずに、千鶴がそう言えば総司はさらに質問を重ねてきた。

「嫌な気持ち?」
「……はい」
「何で?」
「だって……総司さんは私の、なのに

消え入るような声だったのに、しっかりと聞きとった総司は至極満足そうに笑った。

「千鶴ちゃん、それは立派な“ヤキモチ”だね」
「…………自覚してます」
「でも僕は千鶴ちゃんの倍の倍くらいはいつもヤキモチ妬いてるよ?」
「え?」
「だから、こうやって千鶴ちゃんにくっついてるんだもん。千鶴ちゃんが大っ好きだからね」

嬉しい。
総司にこう言ってもらえて本当に嬉しい。

嬉しいのだが……それと同じくらいに恥ずかしい。

「千鶴ちゃん、ベロと同じくらい顔が真っ赤だよ?」

総司が千鶴の持っているかき氷を指差してくる。
シロップのせいで舌が赤くなっているのだろう。
それと顔の赤さを指摘されて、さらに恥ずかしさが増してくる。

「……夏だから、です」
「そう? でも他の人は夏だけど真っ赤じゃないみたいだけど?」
「〜〜〜〜〜〜!」

反論出来ずにいると、総司が千鶴の腰を掴んでグイッと自分の方へと引き寄せてきた。

「全く、千鶴ちゃんはホントに可愛いね」
「そ、総司さ────」
「でも僕もほら、真っ赤だから」

そう言って総司は自分の舌を見せてくる。

「……『でも』はなんかおかしくないですか?」
「ん? おかしくないよ? 僕もお揃いで真っ赤だからいいでしょ?」

千鶴ちゃんと一緒に真っ赤で僕は嬉しいよ?
そう言いながら「ね?」と顔を覗きこんでくる総司に、千鶴はほとんど無意識でコクコクと頷いた。

そんな千鶴に、総司が笑顔でお願いしてきた。

「ねぇ、千鶴ちゃん。ベロ、出してみて?」

いきなりそんなことを言われて少し驚いた千鶴だが、楽しそうな総司につられておずおずと舌を見せた。

「こう……ですか?」

千鶴が遠慮がちに少しだけ舌を出すと、それを待っていたかのように総司が笑った。

「隙あり♪」
「え?」

何が?と思った時既に遅し。
気付けば千鶴は総司に口唇を重ねられていた。

「────!!」



口唇を重ねられた……というよりは、どちらかと言えば『舌を重ねられた』と言った方が正しいかもしれない。
口唇はそのおまけ、とでも言うかのように、総司は自分の舌で千鶴のそれをペロリと舐めた。

当然、千鶴はこれまでにないくらいに顔を真っ赤に染め上げていた。

「千鶴ちゃんのベロ、イチゴ味で美味しいね」
「あ、あの…………」
「あぁ、僕も真っ赤だから千鶴ちゃんと僕のベロが美味しいんだね」

ごちそうさま♪
何も言えずにいる千鶴の頬に、総司はチュッと音を立ててキスをする。

恥ずかしさが極限にまで高まってくる。
固まって動けない千鶴に沖田が冗談交じりで嬉しそうに言ってきた。

「一体今、どれくらいの人に見られたのかな?」

その言葉に、ハッと我に返ると千鶴はすぐさま辺りを見渡した。
特にこちらを見ている者はいなかったものの、改めてここが公衆の面前だということを思い出す。

「そ、総司さん! こんなに人がいるところで!」
「それ、今更じゃない? それに、顔もベロも真っ赤の千鶴ちゃんが可愛いからつい」
「つ、ついって……」

総司自身が全く悪いと思っていないのだから、千鶴がどう言おうとそれは意味のないことで。
恥ずかしさを追いやろうと、千鶴は持っていたかき氷を一口、二口と口に運んだ。

「千鶴ちゃん、そんなにいっぺんに食べたらお腹壊しちゃうよ?」
「だ、大丈夫です!」
「まぁ、その時には僕がつきっきりでお腹擦ってあげるから」
「だ、だから大丈夫です!」

残念♪ とそれは楽しそうに言う総司を横目に、千鶴はまた一口かき氷を口にする。
顔が火照っているからか、いくら食べても熱さが消えてくれない。

そんな千鶴を見ていた総司が、「そうだ」と思い出したように声をあげた。

「……? どうしたんですか?」
「千鶴ちゃん、来週はお祭りに行こうね?」
「お祭りですか?」
「うん、来週あるでしょ? あれ、一緒に行こう?」

自分たちの町であるお祭りで一番大きな規模のお祭りが来週に迫っていることを思い出す。
ニュースなどで取り上げられるほどの大きな花火があげられるのだ。

「二人とも浴衣で。どう?」
「総司さんも……浴衣ですか?」
「うん、千鶴ちゃんとお揃いで浴衣着てくる。ねぇ、行こう?」

総司さんと浴衣でお祭り、花火。
考えただけですごく楽しくなってくる。

千鶴はもちろん二つ返事で大きく首を縦に振った。

「はいっ、行きたいです」
「じゃあ、決まりだね。来週、楽しみだなぁ」
「はい、楽しみですね! ────あ」
「ん? 何?」

そうなると、来週のお祭りまで総司には会えないのだろうか。
そう思うと急に寂しい気持ちになってくる。

「いえ、何でもないです」

今までは学校に行けば会えたのだが、夏休みはそうはいかない。
毎日だって会いたいが、総司にだって予定はある。
自分の都合ばかり言ってはいけない、でも会いたい。

言ってもいいかな?
言ったらダメかな?

そんな気持ちを胸の内に抱えていると、総司が言葉を付け足してきた。

「あとさ、それまでは毎日僕んちにおいで? 一緒に宿題しよ?」
「え? 毎日?」
「うん。嫌? それに僕はお祭りの後も毎日君と会うつもりでいたしね」
「い、嫌じゃないです! 行きたいです!」
「うん。じゃあ明日から毎日千鶴ちゃんちに迎えに行くから」

総司も毎日会いたいと思ってくれていると。
そう思うと無性に嬉しくなった。
嬉しい、大好きという気持ちが込み上げてくる。

この人の気持ちが自分に向いているのだという事実が嬉しくて愛しくて。
今が夏真っ盛りで暑いことなんてすっかり忘れる程に────。

「でも、迎えに来て下さるなら、そのまま私の家ででもいいんじゃ?」
「別に千鶴ちゃんちでも全然構わないんだけど……、邪魔が入るでしょ」
「邪魔?」
「そう。自分ちでもないくせに薫とか平助とか来ちゃうでしょ。下手すれば一君や山崎君だって来ないとも限らないし」
「そんなことはないと思うんですけど……薫は私のことを心配して────」
「心配してるのは確かだろうけど、僕は千鶴ちゃんと二人っきりがいいし」

そう言われれば、自分んちでなんて言えなくなってくる。

「それに千鶴ちゃんだって見られたくないでしょ?」
「見られたくない?」
「うん、例えば僕と千鶴ちゃんがさっきみたいにチューしてるのとか」

先程のキスを思い出して顔がすぐさま熱を帯びてくる。
他人ですら見られて恥ずかしいのに、知っている者にはさらに見られたくない。

「だ、ダメです! 絶対にダメです!」
「ね? それなら僕んちの方がいいでしょ?」
「そ、そうします」

────〜〜〜〜♪

聞きなれた音楽が流れたかと思うと、それは千鶴の携帯電話だった。
ディスプレイを見れば今しがた話題に出ていた薫からだった。

「薫から、みたいです」
「何て?」

パカッと携帯電話を開けてみれば。

【今どこにいるの。家にいないみたいだけど】

「そういえば薫には今日海に行くとか言ってなかったです」
「言わなくて大正解だけど、このメールからして薫は今千鶴ちゃんちにいるみたいだね」
「多分、そうだと思います」
「ふーん、何だか面白くないなぁ」

千鶴の携帯電話を覗きこみながら不満そうに総司がへの字に口を曲げる。
しかしそれも束の間、何かを思いついたかのようにニタリと笑った。

「今日はこのまま大人しく帰ろうかと思ったけどやーめた」
「へ?」
「ねぇ、この後千鶴ちゃんちに行っていい? 千鶴ちゃんの作ったご飯食べたい」
「えっと、私は構いませんけど……」
「やった、ありがとね。何なら僕も作るの手伝うから」
「総司さんがですか?」

少し驚いたように千鶴が聞き返せば、総司は楽しそうに是を示した。

「うん♪ 二人で台所に立ってたら、何だか新婚さんみたいじゃない?」

薫に見せつけちゃおうよ。
それはそれは楽しそうに言ってくる総司に、千鶴もつられて笑ってしまう。


色々と大変かもしれないけど、今年の夏休みは楽しいことがいっぱい待っている。
それを総司の隣で感じていた。

「ねぇ、もっかいチューしない?」
「い、今はダメです!」
「ちぇー、じゃあ帰るまで我慢するよ」
「はい、そうしてくだ────えぇ!?」
「だって、『今』はダメなんでしょ?」
「そ、そういう意味で言ったんじゃないです〜」










私の萌え要素がふんだんに取り込まれすぎてて…どうしていいのかわからない状態です!^/^
沖田さんがね、照れるところがかわいいの何のって…!!
もう最初から最後まで…ラブラブで…心休めるところがないっ!!

ちなみに薫のメールにすらドキドキした私ですv

何か自然に沖千の夏休み妄想が膨らみますね…
毎日一緒で。
お祭りも行って。
他にも色々…そりゃもういろいろ…

夏休みカレンダー作って、毎日二人でこんなことしましたSSを書いてupしたいくらいですね!!(←)

千鶴は…何を作ってあげたんでしょう?気になる…
薫はいたのかな?ケンカしたかな…?
帰ってから、チューはしたのかな?

頭の中がいろんなことでいっぱい^/^


文月様!本当にお忙しいのに…素敵なSSをありがとうございました!!

こちらこそ、もう萌えで満腹です…幸せですv
これからもよろしくお願いしますvv