『しし日々』の文月様から相互SS書いてくださるって言われて。

有頂天になった私が、勝手に文月様の好きなバロさんと玉龍を描いて送ったんですが…
その絵を元にSS作ってくれたんですっ!!
す、すごいですよね!?

ちなみに、私が押し付けた絵はこちら


では…バロさんと玉龍っていう…組み合わせのSS楽しんでくださいませv






夢の共演〜オセローズの前身〜






「あ、君が玉龍くんだね。今日はこれ持って一緒に写真撮影らしいよ。よろしくね」
「……誰」
「あれ? 俺のこと聞いてない? ちゃんとパピヨンメサージュ飛ばしたんだけどなぁ」
「…? 知らない……。それよりも、お師匠様…どこ」

「あぁ、お師匠様って玄奘ちゃんのこと?」
「………何で、お師匠様のこと、知ってるの」
「だって、これに書いてあったから」

(ぺラリと一枚の紙を渡す)

「何、これ……」
「今日写真を撮るにあたっての、君に関する情報だよ」
「僕……こんなの、知らない」
「それはそうだろうね。これは、ミルスクレアの図書館で得たものだから。きっと、ユリウスくんも知らないんじゃないかな。この情報」
「……? で……、あんた、誰」

「あぁ、紹介が遅れたね。俺の名前はアルバロ。一応魔法使いだよ」
「魔法…使い?」
「うん、まぁ、君みたいに術が少し使えるって感じだね」
「そう……分かった。─────で、今から何、するの」

「今から君と俺でこの花を持って写真を撮るんだって」
「……何の為に?」
「MEN'S FORTUNEって雑誌、知ってる?」
「…………知らない」
「だろうね。そういう名前の雑誌があるんだけど、今回のその表紙を俺たちが飾ることになっちゃってるみたいでさ」
「ふーん…………。雑誌、って……八戒が読むようなもの、かな」

(なんだかんだで写真撮影に移ります)

「玉龍くんさ、もうちょっと笑顔になれないかな。これでもう20回もやり直しになってるんだけど」
「………笑顔?」
「そう、あのカメラに向かってさ。一応、この雑誌のコンセプトは『ガンモテ☆メンフォーGUY’Sによるサイコーの劇薬雑誌』ってことになってるんだけど、どうやら俺たちの笑顔が読者にとって“劇薬”らしいんだよね」
「………何、それ。意味分からない」
「あはは。そうだろうねぇ。でも、どうやらこれで売れ行きが良ければ俺たち、ユニットとして売り出して貰えるらしいよ」

「ユニット……?」
「そう、歌って踊れるイケメンコンビってことらしいね。名前ももう決まってて『オセローズ』っていうらしいよ。めちゃくちゃダサい名前だよねぇ」
「………僕、歌ったこと、ないんだけど」
「今から心配なんてしなくていいんじゃない? 売れたら、の話だし。とりあえず、モデル料は入ってくるけど」
「……お金、貰えるの?」

「そうだよ。何? 知らなかった?」
「うん……」
「お金もらえたら、玄奘ちゃん、喜ぶんじゃない?」
「お師匠様……お金持って帰ったら、喜ぶ……」
「うんうん。君たち、旅をしてるんだよね? それなら、お金って大事だろうし。そのお金で玄奘ちゃんに美味しいものでも奢ってあげればきっと喜ぶと思うよ」
「お師匠様の為、なら……頑張る」

「うんうん、その意気だねぇ。俺も、このお金を使って新しい魔法薬を作りたくてさぁ。それを手にした時のルルちゃんの顔を思い浮かべたら……う〜ん、楽しみだなぁ」
「……ルル、ちゃん?」
「ん? あぁ、ルルちゃんってのは俺が気に入ってる女の子だよ。すっごく可愛いくてそれですっごく面白い。見ていて飽きないってのはあの子の為にある言葉だね」
「……お前、その子が大事?」
「大事? うーん、そうだねぇ。……うん、大事だね。そういうことにしておこうかな」
「……?」

「まぁまぁ、それはおいといてさ。早く玄奘ちゃんのとこに帰りたいんでしょ? 早いとこ終わらせて帰ろうよ」
「……でも…笑顔、出来ない」
「玉龍くんは笑ったらきっとモテモテだと思うんだけどなぁ。これはここに殿下でも呼べば良かったかもね。そうしたら、殿下につられて笑顔になるかもしれないし」
「……?」
「エストくんは……無理だろうねぇ。ラギくんもきっと照れちゃうだろうし、ノエルくんは緊張して変な魔法具に手を出しそうで面白いよねぇ」
「……?」
「ユリウスくんなんてきっと『意味が分からない』なんて口癖が出ちゃうかもだし、そう思うと今回の表紙は俺か殿下が妥当だろうね」
「アルバロ……さっきから何言ってるの」

「あぁ、ごめんごめん。ちょっとね。────そうだ。君の仲間でさ、よく笑ってる人とかいる?」
「よく、笑って……? 悟空……は、いつも『だりぃ……』しか言わない……。悟浄は……たまに笑う。けど、八戒に怒ることの方が多い、かも……。八戒は……うん、よく笑ってるかもしれない」
「じゃあ、その八戒くんは何してる時によく笑ってる?」
「何して……? 街で知らない女の人に話しかけてる時……かな」
「うわー、そういう人なんだ。うんうん、ぜひ会ってみたいなぁ。いい友達になれそうだよ」
「あとは…………お師匠様と話す、時。ずっと笑ってる」

「なるほどね。それなら話は早いよ。玉龍くんは玄奘ちゃんのこと、好き?」
「好き? ………お師匠様は僕の一番大事な人、だよ」
「うん、いいねそういうの。青春って感じで♪ じゃあさ、その玄奘ちゃんの顔を思い浮かべてごらんよ」
「お師匠様の?」
「そう。あのカメラの向こうにさ、玄奘ちゃんが笑って立ってて、こっちに向かって手を振ってくれてるの。そういうのを想像してみたらいいんじゃないかな」

(────玉龍が想像しています)

「うんうん、なんかイイ感じだね」
「ほんと……? アルバロも……ルルちゃん、だっけ。思い浮かべてるの?」
「俺? そうだね、ルルちゃんがいつもみたいに魔法を失敗してるところを想像すると自然と笑顔になっちゃうね」
「そう……」
「ほらほら、早く撮って終わらせようよ。なんかルルちゃんの話してたら、ルルちゃんに会いたくなってきちゃったよ」
「僕も……お師匠様のところに帰りたい」

「じゃあ、早いとこ終わらせよっか。はい、この花持ってくれる? それでその花を、さっき想像した玄奘ちゃんにあげる感じでさ」
「お師匠様に……」
「そうそう♪ 俺もルルちゃんにこれをあげてるのを想像することにするよ」

────パシャ、パシャ

「あ、OKが出たみたいだよ。良かったじゃない。これで玄奘ちゃんのところに帰れるね」
「うん。アルバロ……ありがとう」
「お礼なんていいよ。おかげで俺も結構楽しかったしね。そのうち、ホントにユニット組むことになったらよろしくね」
「ユニット……。それって、時間…かかるの?」
「そうだねぇ、歌とか歌うならレッスンとかあるだろうしね。それなりに時間は拘束されるんじゃないかな」「……お師匠様の傍にいられないなら、やりたくない」
「うわ、そうきた。───でも、そうだねぇ。俺もルルちゃんに会えないのは寂しいかな」
「じゃあ、ユニットは………」
「うん、またこうやってちょっとだけ写真撮るくらいならまたやる、でいいんじゃないかな。俺はそれくらいなら大歓迎だし」
「僕も……それくらいなら、いい」

「決まりだね♪ じゃあこれからもよろしくね、玉龍くん」
「うん……よろしく」
「そのうち、玄奘ちゃんにも会わせてほしいなぁ。あ、俺も今度はルルちゃんに会わせてあげるからさ」
「……お師匠様に、聞いてみる」
「うんうん、お願いするよ。じゃあ俺もそろそろ帰るから。玉龍くんも、早いとこ玄奘ちゃんに会いに────って、もういない。よっぽど大事なんだろうねぇ、『お師匠様』ってのが」



END




二人がルルや玄奘のことを話題にするのが楽しかったですv
玉龍の、ルルちゃんとか、可愛いですね!
バロさんの玄奘ちゃんは…S.Y.Kメンバーが聞いたら怒るんじゃ・・とかも思ったり。(慣れ慣れしいっ!とかね笑)
もう読みながら、アルバロの会えなくてさみしいって…どんな意味で?とか考えてしまうあたり普通じゃないですよね^/^
素直にお師匠様お師匠様言ってる玉龍が対照的に可愛さupしましたv
・・アルバロ、ぼうっとしてないで早くルルに会いに行ってあげてください!きっとユリウス辺りがもう横キープしてるよ(^^)/

何気にワンドメンバー全員の名前が出て来るところがすごく気に入ってます!
でも一番ツボにはまって動けなくなったのは「オセローズ」って命名(爆笑しました!!ぴったりですよね!!(^o^)丿)
絵にこんな素敵なSSつけてくださり、文月様、本当にありがとうございました!!