しし日々』の文月様から、20万hitお祝いを頂きましたvv


デザキンのウンアスを〜…でも豪華にしたいんですって聞いていたので、どうなるのかな?とドキドキしていたのですが…
本当に豪華になってプレゼントされちゃいました!!


オトメイト作品のコラボSSですね!!
とっても面白いし、甘さもあって二度おいしいですww



では、素敵な頂きもの、どうぞ^^
注意書きもそのまま、載せますよ〜(笑)




でざ〜と・でれでれ・らいふ(DDL)への道

※デザートキングダム×薄桜鬼SSL(その他オトメイト作品)でのお話です。
※全文会話のみで、デザキンは基本ウンアス重視な感じになってます。
※デザキンとしての時間軸? ……なにそれ、美味しいの?




「姫様〜♪」
「………………」
「姫様〜?」
「………………」
「ひーめーさーまー!?」
「………………あぁ、ウンバラ。何?」

「何?じゃありませんよ! さっきから何度もお呼びしているというのにちーっとも気付いてくれないんですから!私、このままだと一日中姫様の名前を呼ぶことになっていましたよ。まぁ、それはそれで私はいいんですけどね。この口で姫様の名前を呼べるのならば────って、聞いてます!?」
「うん、聞いてる聞いてるー」
「うわ、全然聞いてない時の答え方じゃないですか。……本当にどうかされたんですか? 何やら悩んでいらっしゃる様子ですが……」

「そう見える?」
「はい、少なくとも私の目にはそのように見えますよ」
「うーん、まぁ……ぶっちゃけ悩んでいるかといえばそうじゃないというか、でも悩んでなくないといえばそうでもないというか……」
「姫様にしてははっきりしない言い方ですね。本当に何があったんですか? ────ハッ! も、もしかして……私への愛に目覚めた……とかですか!?」

────バキッ!

「ぐふぉ────っ! 姫様、痛いですよ! ほら! 私の素敵なほっぺが引っ込んじゃってますよ!」
「うん、すごくイケメンになったわ」
「あ、ほんとですか? いやだなぁ、もう────って違う!」
「ウンバラ……アンタ、ノリツッコミが上手くなったわね」
「お褒めに預かり光栄です……と言いたいところですが、今の私は精霊モードではなく、人間仕様になっていますので、出来ればいつものようなツッコミはしないで頂ければと……」

「そういえば、確かにいつもと違う感触だったわね。もしかしてアンタ、今朝姿を見せなかったのはそのせいで、なの?」
「はい〜♪ ちょーっとだけシャザーヌ様のお力を借りて」
「何でまた────」
「決まってるじゃないですか。姫様とラブラブデートをする為ですよぅ!」

「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「………………あぁ、もう! すみません! 本当はお試し疑似体験チケットを使う為なんです!」

「…………お試し疑似体験チケットぉ?」
「はい」
「って、何それ。意味分かんないんだけど」
「まぁ、平たく言えば、人間の世界を一日疑似体験してみようチケットですね。実はシャザーヌ様に作って頂いた際に、一般知識は植えつけて頂きましたが、やはり体験してみないと分からないこともあるだろうと言われまして」
「まぁ、アンタどうでもいい知識だけは豊富よね」
「そうなんですよね、 作れはしませんがケーキの作り方も一応存じておりますよ────って、そこはどうでもいいわ!」
「よっ、ノリツッコミ!」

「姫様、それ微妙な感じです……。ま、まぁ、そういうチケットを頂いてはいたんですが、実はそのチケットには期限がついていまして」
「期限?」
「はい、それが今日までだったんですよ」
「で、期限が切れる前に、人間を体験しちゃおう的な?」
「はい〜♪」
「アンタのルートのこととか、一切無視して?」
「そ、それは〜……まぁ、私の個人ルートなんて、いかようにも修正はきくと思うのでこのまま押し通しましょう! これぞ、デザートキングダム!」
「何かが違うような気もするけれど……まぁ、いいわ」

「そうそう、ですから姫様と一緒にスークにでも、エリアCにでもデートに行きませんか?って誘おうと思っていたんですよ。なので、先程の私の発言はぶっちゃけ間違ってはいない、という訳です」

「まぁ、いつも私に付き合ってくれてるし、たまにはアンタの行きたいところに行くってのは構わないわよ」
「ホントですか!? わーい、姫様大好き〜」
「わっ、ちょ、ちょっと! いきなり抱きつかないでよ!」
「だって、せっかく人間になれたんですから思う存分堪能しておかないと。うーん、姫様って思っていたよりも柔らかいんですね〜」
「……その発言だけ見たら、ただのセクハラよね」
「大丈夫です、私明日になれば精霊に戻りますから。そうしたら私の姿は他の人には見えないので訴えられることはありません」
「いや、私には常に見えるし、訴えたいんだけど?」

「ところで姫様。先程は何を悩んでいたのですか? 私がいない間に何かよくないことでも────」
「そこまで深刻なことじゃないわよ? ただ、ちょっとあれでよかったのかなと思ったりしてただけ」
「あれで?」

「うん、実はさ、アンタが朝起きてもランプから出てこないからどっかに行ったのかとちょっとパレスを歩き回ってたのよ。そしたら、シャロンに会って」
「シャロンに、ですか?」
「そう。で、シャロンとちょっと話したんだけど────…」


『やぁ、姫君。朝早くから何をしているんだい?』
『あ、シャロン! おはよう!』
『あぁ、おはよう。で? 何か急ぎの用事でも?』
『いや? 別に用事ってほどのもんはないわよ』
『そうか、ならば私と共に朝食を食べに食堂へ行かないか?』
『食堂?』
『あぁ、一度君と食べてみたいと思っていてね。ここのシェフに特製のカレーを作らせている』
『朝からカレーって、そんなに好きなのね、カレーが』
『いやいや、君より勝るものなどは私の中には存在しない。────で? どうだい? 私と二人でゆっくりと話でも』
『ごめん、お腹減ってないからまた今度ね!』



「…────って、ことがあって」
「うわー…、シャロン撃沈ですね〜」
「そうなの? まぁ、今思えば何だかシャロンが寂しそうな顔してたから言い方が悪かったのかなって」
「あー…、まぁそういうこともあるかとは思いますけど、どんな言い方しても凹む時は凹みますよ、それ。どっちみち断られる訳ですし」
「どういうこと?」
「うーん、私としては姫様の選択肢はGJですが、完全なる恋愛フラグへし折りですね」
「もう! じゃあ、どうすれば一番良かったのよ」
「それはやはり恐らく乙女ゲームであれば選択肢が二つほど出てくるので、好感度の上がるものを選ぶに他なりませんね。【お腹減ってないからまた今度ね】【うん、行く行く】この二つだったらカンペキ後者ですよ」
「私、別に恋愛とかにはそんなに興味は────」
「それを抜きにしても、選択肢は後者がいいと思いますよ?」

「……じゃあ、ヴィたちにもやっぱりまずかったのかしら」
「えぇ、そうかもしれませ────って、何ですと!? 何故そこにヴィの名前が!? しかも“たち”って」
「え? あぁ、実はシャロンと別れた後に、パレスの外にウンバラを探しに行くついでに散歩してたのよ。そうしたら、他の人たちにも会って」
「まさか……各々に何か誘われたりしたんじゃ……!」
「え? 何で分かるの? 精霊ってそんな機能もあるの?」
「んな訳ないでしょ! ……大体今の話の流れで想像つきますからね」
「そういうもん?」
「そういうもんです! ────ちなみに、どのようなお誘いを受けたのか聞いてもよろしいですか?」
「へ? 別にいいけど、面白くないわよ? えっと────……」


『やぁ、僕の姫! 今日も朝から可愛いね! 可愛すぎて僕の目がオーバーヒートを起こしそうさ! どう? 僕と一緒に爽やかなティータイムを過ごさないかい?』
『うん、ごめん、代わりにドン・フィッチェとでも飲んで!』

***

『お、アスパシアじゃん! もしヒマだったらさ、オレと一緒に探検に行かないか? このデザートキングダムに眠る秘密の財宝ってやつなんだけど!』
『あのブタちゃんに会えないんだったらやめとくー』

***

『……こんなSUTEKIなMORNINGは……眩し過ぎるのがDISTINY……。……アンタ、急いでいるのか……? それなら……オレが目的のPLACEまでひとっ飛びさ……』
『その方法だけはマジ勘弁! それに急いでないから』

***

『やぁ、EVUUの姫君。こんな朝早くから活動しているとは感心だね。あぁ、別に君が遅くまで寝ているなどとは思っていないよ。ただ、働いている訳でもない君がこんなに早くから出歩いている為にそう感じただけでね。ちなみに私は、脳の動きを良くする為に日課の散歩をしているところだよ。知っているかい? 人間というものは起きてから三時間ほど経たないと脳が活動しないらしい。つまりは何か大事なことを考えたり、行動したりするには少なくともその三時間前には起床していなくてはならない。ということはだよ、さらに活動を活発にする為には、甘いものでも摂取して働きを促すのがいいとは思わないかね? それで、だ。一人で食べるのも少々味気ない。もし君さえ良ければ、一緒に朝食でもいかがかね』
『今の話でお腹いっぱいって感じ! あとはグッチィ君にでも話してあげて!』



「…────とまぁ、こんな感じで朝から色んな人に会った訳なのよ」
「………………見事なスルースキルですね。ウンバラ、他人事ながらに悲しくなってまいりました」
「何でアンタが涙流してる訳?」
「同じ同姓として、感じる部分があるのです」
「アンタって、別に性別決まってないんじゃなかったっけ?」
「そうですが、一応シャザーヌ様をモデルとしている訳ですし、どちらかと言えばイケメンな“男子”なんですよ、私は。そうじゃないと、ゲームでウンバラは攻略できませんよ」
「そこを言っちゃおしまいなんだけど……うん、そこはどうでもいいわ!」
「どうでも、はつけないで!」

「うーん、それにしてもアンタから見てもよろしくないってことは、当の本人たちにはさらによろしくない返しだったって訳よね」
「有体でいえばそうなっちゃうと思いますね。ところで、その時の彼らの反応は?」
「セラは口をあんぐり開けたまま固まってそのまま近くにいたドン・フィッチェに連れて行かれて、レジェッタはシャロンみたいにしょぼんとしてたかな? で、ヴィは『……分かったのさ……』って言いながらどっか行って、イシュマールは延々とグッチィ君とは友達じゃないってことを語ってた……かな?」
「お、おう……。どう見ても一様に皆さん凹んでいらっしゃいますね」
「ねぇ、ウンバラ。私、やっぱりみんなに謝ってきたほうがいいかしら」

「別に謝る必要はないと思いますけど────って、いうか、そうなったらまた誘われる訳ですし、私としてはそれは断固反対!と言いますか……。でも、この調子だと、どうせ姫様、私と一緒にいても同じような接し方で終わっちゃうんですよね。それに関してはウンバラも何とかしたい……。いや、姫様と一緒にデートが出来るのなら、それだけでもう幸せいっぱい夢いっぱい!って感じなんですけど、でもそれでもせっかく人間になれてるんだし、私としては少しでもラブラブ状態でいたいって言うか〜……」

「ねぇ、ウンバラ? アンタさっきから一人で何をブツブツ言ってる訳?」
「え? あっ、い、いえ! 何でもありませんよ? ウンバラは至って元気です、はい〜」
「……? 変なウンバラ。まぁ、元から変なんだけど」
「ちょっと姫様、最後の一言は余計ですよ────って、あ、そうだ!」

「……? 何よ、ウンバラ。そんな急に『私、ひらめきました!』みたいな顔して」
「えっと、まさしくその通りなので、改めて言われるとちょっと恥ずかしいです」
「でしょうね。で? 一体何を思い付いたの?」
「もし良ければ姫様。デートの前に、ウンバラの恋愛講座を受けてみませんか?」

「ウンバラの……恋愛講座?」
「はい♪ 実はウンバラはシャザーヌ様にそういうことも吹き込まれているのであります。そしておまけとして、我らが先輩方のゲームの知識も入れて頂いているのです」
「…………理由は?」
「だって、一応デザート・キングダムも乙女ゲームですからね。姫様が見ての通りのこのキャラですし、もしかしてこれ……恋愛出来ないんじゃないの?と思う乙女もいると思うのですよ」
「若干失礼に感じるのは今は黙っておくわ」

「助かります。で、一応そうなった時に、乙女の方を導く為に、ウンバラが手助けする役も仰せ付かっておりまして。なので、乙女ゲームの知識は人一倍豊富なのです、精霊の中では」
「……ランク付けが微妙ね」
「まぁまぁ、そこは言わないでくださいよぅ。って訳で、私が今から、この水晶に先輩方のゲームキャラを映しますので、それを見て人と触れ合うとはなんぞやを学んでみてください」
「それは別にいいけど、その水晶って元からあったっけ? それに勝手にそういうの見ても大丈夫なの?」

「この水晶はシャザーヌ様にお借りしました。これを借りるのに時間がかかったんですよ。今日一日は人間ですから、魔力が使えない私に、何か要り様ならこれを使うように、と。で、勝手に見てもいいのか、については、同じオトメイトレーベルなので大丈夫だと思います、多分。いや、きっと」
「……最後だけいやに自信ない感じだけど」
「ま、まぁまぁ! 私としてはこれは覗きではなく、れっきとした勉強ですから。勉強するな、なんて先輩方も言いませんよ」

「そうかもしれないけど……ま、いっか。デザート・キングダム以外のゲームのことって実際よく知らないし、先輩方と仲良くするには相手のことを知っておくほうがいいものね!」
「よっ! さすが姫様! ポジティブゥ! そこに痺れる、憧れるぅ!」
「……かなり言葉のチョイスが古いと思う気もするけど……スルーね。────よし、ウンバラ! そうと決まれば早速見てみましょ! 最初はどのゲームなの?」
「最初はやっぱり、私たちの大先輩の薄桜鬼からで♪ 今回覗かせて頂くのはSSLのほうらしいですよ」
「ふーん? 何だか面白そう! 早く早く!」
「わっかりました〜♪ ではでは、覗き見、スタート〜!」
「…………嫌な掛け声ね」


『やっほー、千鶴ちゃん』
『あ、沖田先輩。こんにちは』
『はい、こんにちは。ねぇ、今時間ある? 実はさ、これ、手に入れちゃったんだけど食べない?』
『そ、それって……月に一度発売される売り切れ必至の購買の幻のプリンじゃないですか!』
『そう♪ いつもすぐに売り切れるから必殺技(前の授業をサボる)を使って、手に入れたんだ♪ だからさっき一緒にお昼食べられなかったんだよね』
『そうだったんですか。でもすごいです、滅多に手に入らないのに』
『でしょでしょ。ねぇ、まだ昼休みは残ってるし、今から食堂で一緒に食べない?』
『でも、それは沖田先輩が買ったものですし、私は……。それにお昼食べちゃいましたし、沖田先輩が食べてください』

『えー? だって、僕は千鶴ちゃんと一緒に食べたくて買ったんだよ?』
『私と……ですか?』
『うん。千鶴ちゃん、このプリン食べたいって言ってたし、きっと喜んでくれるって』
『沖田先輩……』
『だから、一緒に食べよう?』
『せ、先輩……手……』
『千鶴ちゃんが、うんって言ってくれなきゃ離さない、って言ったらどうする?』
『え……? えっと……その……』
『うんうん』
『で、でしたら……その……お言葉に甘えさせて頂きます』
『わーい、ありがとう、千鶴ちゃん』
『そんな……! お礼を言うのは私のほうです! ありがとうございます……』
『お礼なんていいよ。ほら、早く行こうよ』
『あ、あの……先輩、手は────』
『え? あぁ、これね。うん、やっぱり君がそんな可愛い顔で言うから、離してあーげない』
『えぇ!?』
『ほらほら、行くよ』

***

『どう? 千鶴ちゃん。美味しい?』
『はいっ、すごく美味しいです! ありがとうございます』
『そう? なら、よかった。僕も頑張って手に入れた甲斐があるよ』
『あの、先輩? これは先輩が買ったんですから、先輩が食べないと────』
『うん? あぁ、そうだね。でも僕実はお腹いっぱいでさ。全部は食べられそうにないから、千鶴ちゃんがたくさん食べてくれると嬉しいな』
『でも────』

『あーーーーー! 千鶴、こんなところにいた! 探したんだぞ!』

『あ、平助君!』
『もう、なかなか教室に戻ってこないから何かあったのかと思ったよ』
『ご、ごめんね、平助君。メールでもしておけばよかったよね』
『いいっていいって。……どうせ総司に無理矢理連れて行かれたんだろうしさ』
『無理矢理って、ひどいなぁ、平助君』
『どうせ、そのプリン手に入れるのに必死で、さっき一緒に飯食わなかったんだろ』
『あはは、その通り』
『あはは、じゃねーよ。さっき一君たちが総司のこと探して────』

『こんなところにいたのか、総司』
『……やはり、雪村君と一緒でしたか』
『うわ、斎藤君に山崎君まで。せっかくの千鶴ちゃんとの時間を邪魔しないでよ』
『そういう訳にはいかん。あんたはさっきの授業をサボっただろう。土方先生から罰として課題を預かっている。今日中にやれとのことだ』
『へぇ、土方さんってば僕がこんなので慌てるとでも思ってるのかな』
『沖田さん、まさかとは思いますが、そのプリンを手に入れる為に────』
『うん』
『……土方先生が聞いたら怒りますよ?』

『ところで雪村。今日の放課後は時間はあるだろうか』
『斎藤先輩。はい、一応予定はないですけど』
『なら、よければ今日は部活でも見学していかないか? 今度、練習風景を見てみたいと言っていただろう。今日は自習練になっている故、あんたに色々と説明してやれる』
『えっ? いいんですか?』
『無論だ。あんたが喜ぶのなら、俺としては大歓迎だ』
『ちょっと、一君! ちゃっかり美味しいところ持ってかないでくれよ! なぁ、千鶴! オレが説明してやるって!』
『待ってよ、平助君。そういうのは僕が適任だと思うけど? 君たちはいつも通り汗水垂らして練習してなよ』
『お前たち、誘ったのは俺だ。勝手に割り込んでくるな』
『そういう訳にはいかねーって! 一君にばっかり良い恰好させられねーよ!』
『そういうこと。一君って気付かない内に勝手に千鶴ちゃんとの仲を深めるから困るんだよね』

『雪村君。一人で見学しているのもつまらないだろう。説明してくれるとは言っているが、一人の時間も出てくるはずだ。良ければ俺も付き合うから、共に見学しないか?』
『山崎先輩……。でも、先輩は何かご用とかは────』
『君と見学、という予定以外は入っていない』

『ちょっと待ちなよ! 俺の妹にわらわらと群がらないでくれるかな!?』

『薫! 厄介なのがきやがったよ』
『ふん、煩いんだよ、チビ! 千鶴、お前は嫌なら嫌と断らないとダメだ! じゃないと、こういう勘違いした奴らが調子に乗るんだから!』
『うわー、ひどい言い草だね、君のとこの風紀委員』
『…………ニヤニヤしながら言うな、総司』

『で、でも……ちょっと見てみたいかなって思うんだけど……』
『何言ってるのさ! あんな男だらけのむさくるしいところに行って何が楽しいんだよ』
『でも、剣道場とかのあの凛とした空気が好きっていうか、気持ちがしゃんとするっていうか……。とにかく、前から一度見てみたいって思ってたの。……行っちゃ、ダメかな』
『……っ! そ、そんな顔するなよ! 分かったよ! 俺が一緒に行ってやるよ! それで、妹を魔の手から守ってやる!』

『うわー、何だか来てほしくない人たちまで来そうなんだけど。斎藤君がこんなところで誘うから』
『総司、乗っかっていたあんたが言う台詞か?』
『でも、これじゃなかなか千鶴と話せそうにないなー。せっかく千鶴にオレの勇姿を見せてやろうと思ってたのに』
『勇姿じゃなくて、僕に負ける姿、の間違いじゃない? 平助君』
『なっ! 今日は負けねーよ!』

『あの……薫。だったら、一緒に来てくれる? その、付き合わせちゃうことになるけど』
『……別に。俺から言い出したんだから気にすることじゃないだろ』
『うん、ありがとうね、薫。すごく嬉しいよ。山崎先輩も、一緒にいて下さると嬉しいです。先輩のお話は面白いですから』
『雪村君……。そう言ってくれてこちらとしても嬉しい』

『斎藤先輩も平助君も沖田先輩も……部活に専念しなくちゃいけないのにありがとうございます。お邪魔にならないようにしますから、色々と教えて下さるとその……嬉しいです』
『無論、最初からそのつもりだ。遠慮する必要はない』
『オレ、千鶴にかっちょいーところ見せてやっからな!』
『じゃあ僕はそんな平助君を倒して、さらにカッコイイところを見せようかな。千鶴ちゃん、勝ったらほっぺにキスしてね』
『な! なんだよそれ! ダメだ! 一君、総司は今日は試合なしな!』
『無論だ』

『ふはははは! 我が妻よ! 部活の見学などやめて、この俺と共に放課後デートを楽しもうではないか!』

『か、風間さん!?』
『我が妻よ、この俺がいながらそのような男共に時間を割く必要はないはずだ。俺たちは既に夫婦。ならば、同じ時間を過ごすのは当然俺と……となろう?』
『えっと……その……夫婦じゃないですし、今日は剣道部の見学に行くので、風間さんとはまた今度────』

『『『『『『今度もダメだーーーーーーーーーーーー!!!』』』』』



「…────どうでしたか? 姫様」
「なんていうか……私とどえらい違いな気がするんだけど……ホントに同じオトメイト?」
「自分で言うと悲しくなるのでやめてください、姫様。ほら、先輩である薄桜鬼を見てみると、誘いを断るってのはしていないですよ」
「あ、そう言われればそうね。私だったら……“今日は宿題があるからまた今度!”とか言っててもおかしくなさそうな気もするわ」
「宿題をするって理由が少々可愛いと思ってしまったんですがね、私は」
「ウンバラって、よく分からない趣味してるわね」
「姫様にそれを言われると多少なりとも複雑な気持ちになります。────どうします? 他にも先輩方の様子を見てみます?」

「え? まだ見れるの?」
「えぇ、オトメイトは色々な作品を世に出していますからね。────いくつか抜粋してみますか」
「次は何?」
「お次はワンドオブフォーチュンですね〜。では、覗き見スタート〜♪」


『あ、アルバロ……? ちょっと待ってほしいの!』
『何で? 君が言い出したんだよ、ルルちゃん。“アルバロも甘いもの食べに行こう!”って』
『それは言ったけれど────』
『君がそう言うから一緒に食堂まで来たけど、よくよく考えてみれば、俺の中での甘いものってルルちゃんとのキス、なんだよね〜。だから、ルルちゃんとキスしようと思って』
『そ、それが何だか違うと思うの! 普通、甘いものって言ったら美味しいデザートのことだと思う!』

『それは君の常識であって、俺の常識じゃないんだけど?』
『で、でもここは食堂で他の人たちだって大勢いるの!』
『別にいいんじゃない? 俺ってそういうの気にしないタイプだから』
『私が気にするわ! 私はここにプリンを食べに来たの』
『だったら、俺が食べさせてあげるよ。それで、ルルちゃんにキスすれば、俺もプリンを味わえるってことだしね』
『アルバロはアルバロの分を食べたほうが────』

『ねぇ、ルルちゃん? 俺がキスしてって言ったら、してくれるんだよね?』
『────! ……で、でも────』
『あぁ……でも君がキスして可愛い顔してるのを見たら、たとえばノエル君とかはぶっ倒れちゃいそうだよね。それはそれで見てみたいけど、またの機会にしておこうかな』
『ま、またって────』
『ってことで、ルルちゃん。人気の少ないところにでも移動しよっか。プリンよりもあまーいのをごちそうしてあげるからさ』



「…────いかがでした? あ、他にもありますよ、SYKとか」
「ギャグ要素の多いものとしては、何だか親近感が湧いてくるわ!」
「そんな理由ですか、姫様……。ではでは、覗き見スタート〜♪」


『…お師匠様、寒くない?』
『玉龍。えぇ、大丈夫ですよ。今晩は少々冷えますが、皆も寒いのは同じですし、私だけ弱音を吐くには────くしゅんっ!』
『お師匠様……!』
『ぎょ、玉龍、そんなに心配しなくてもいいのですよ。ちょっとくしゃみが出ただけです』
『でも…………』

『玉龍だって疲れているでしょう? 私のことは気にせずにゆっくり休んでください────って、玉龍!? ど、どどど、どうしたのですか!?』
『八戒が、女の人が寒そうにしていたら、こうやって抱き締めてあげると喜ぶんだって、言ってたから。────どう? お師匠様』
『ど、どうと言われましても…………』
『こうしてたら少しは温かいと、思ったんだけど……』
『玉龍……。ありがとうございます、玉龍のおかげで今はとても温かくなりました』
『ほんと……? お師匠様』

『えぇ、本当です。少々恥ずかしいですし、明日八戒には玉龍に変なことは言わないように釘をさしておかねばなりませんが……。それでも、今はとても嬉しく思います』
『よかった』
『きっと玉龍の気持ちが、私を温めてくれているのですね』
『僕の……気持ち?』

『はい。玉龍が私の為に、としてくれているその気持ちがとても温かくて嬉しいものですから。────玉龍は寒くはないですか?』
『うん、大丈夫。……お師匠様、温かい、から』
『そうですか。はっきり言われると少し恥ずかしいですが、嬉しいものですね』



「…────姫様。いかがです? 他の先輩方はこうして愛を育んでいるんですよ」
「……ねぇ、八戒って誰? 何だかポジション的にセラみたいな感じなの?」
「気にするところはそこですか!? もう、仕方ないですから、夏空のモノローグも見せちゃいますよ!」
「ねぇ、そのゲームは私たちよりも後に発売されたんじゃ────」
「シャラップ、姫様! こちらはギャグと涙を兼ね合わせた素晴らしきゲームなのですよ! 私たちは夏空のモノローグ様ご一行に足を向けて寝られないんです!」
「それってどっち?」
「そこを一々掘り下げないでくださいよ! 私だってね、ボケるのは得意じゃないんですよ! ってことで、むりやり覗き見スタート〜!」


『ちょっといいかね、科学部副部長の木野瀬一輝君!』
『な、なんですか部長、いきなり』
『何故私を無視して勝手に部会を始めているのだね! 僕は部長だぞ!』
『だって、部長はそこでずっといじけてたじゃないですか。篠原に“あんまり煩いとメガネ……割りますよ?”って言われたから』
『────! そ、そうだとしても、副部長ならば、部長の復帰を待って────』
『いや、どうせまたろくでもないこと言い出すに決まってますし、勝手に決めた方が有意義かと』
『何だかひどくないかい!? 僕に対する扱いが!』

『あ、あの部長さん……。きっと、木野瀬くんも他のみんなも、部長さんの実験体になりたくないだけで、別に部長さんを邪魔だとか思ってる訳じゃ────』
『……何だか慰められているはずなのに、悲しくなってきたのは気のせいだろうか』

『出た、先輩の“宥めているようで実は科学部の最強攻撃”が!』
『カガハル、そのネーミングセンスどうにかしたらどうだ?』
『なにおう、篠原! 文句あるのか!?』
『馬鹿が移る』
『馬鹿って言う方が馬鹿なんだぞ!』

『あーはいはい。お前たち、いい加減にしなさいよ。じゃないと、プラモに集中できねぇだろ』

『……先生が一番いい加減にした方がいいかと思いますけどね』
『篠原に賛成ー』
『おいおい、さっきまで口喧嘩してたってのに今度は二人一緒になって俺を攻撃か?』
『それだけ教師として何か問題があるってことですよ』

『篠原……お前そんなにはっきり言ってやるなよ』
『そうだよ、篠原くん。木野瀬くんの言う通りだよ。いくら本当のことでも言っていいことと悪いことが────』
『おい、小川? 先生も沢野井と同じく、悲しくなってきたぞ?』
『えっ? えっ?』

『先輩! こんな人たちは放っておいて、俺と一緒にラブラブランデブーな放課後デートに繰り出しませんか!』
『カガハルくん、まだ部活の途中だよ』
『くぅ〜! デートを我慢して、部活に出ようとするそんな先輩の健気な表情に、俺のハートはもうメロメロですよ、先輩いぃぃいいい!』

『カガハル、煩い! ────先輩、馬鹿が移りたくなければ、離れたほうが懸命かと』
『え? あ、うん』
『おい、待てよ篠原。何でだからって、小川がお前の方に座らなきゃいけないんだよ。そ、その……俺の隣が空いてる訳だし、ここに居ればいいと……思う』
『木野瀬くん……』
『おーい、お前たち。大人を置いて甘酸っぱい世界に行かないでくれないか? なぁ、小川。よかったら俺にコーヒー淹れてくれないか? 先生な、今手が放せないんだ』
『プラモで、ですか?』
『あぁ、プラモでだ。入れてくれたら、先生のポケットから飴ちゃん取っていいぞ』
『ホントですか! じゃあ、淹れます!』

『ちょっと! 教師が生徒をモノで釣るなんてダメでしょうが!』
『モノっつったって、ただの飴だろうが。カガハル』
『飴でも何でもダメったらダメです! 先輩、俺があげますから! ほら! 先輩の好きそうな甘いキャンディたくさんありますから!』
『……先輩? そんなに食べると虫歯の原因になります。あなたはただでさえ、甘いものばかり摂取しているんですから、今日はこれで我慢したらどうですか?』
『これって……酢昆布?』
『えぇ、それなら暫く持ちますし、おやつにはちょうどいいかと』
『もしかして篠原くんがわざわざ買ってくれたの? 私の為に……』
『そ、そんな訳ないじゃないですか。何言ってるんですか? 先輩は馬鹿なんですか?』

『おーおー、篠原が動揺してるよ。いいねぇ、青春!』
『先生、一々言うことがオヤジ臭いですよ。────まぁ、いいや。先生の分は俺が淹れますよ。ついでに小川の分も淹れてやるけど、砂糖とミルクはいつもの分量でいいか?』
『あ、うん。出来たら砂糖は多めでお願い、木野瀬くん』
『本当にお前は甘党だな。分かったよ』

『君たちいぃいぃいいいぃいい! 先程から僕の存在の一切を無視していないかい!?』



「…────という訳ですが」
「何だか、たくさん見てきて頭がパンクしそう」
「うーん、やっぱり一日一つ、とかのペースで見せた方がよかったかもしれませんね。でも、この水晶も明日にはシャザーヌ様に返さなくてはいけませんし。すみません、姫様。疲れたでしょう、ベッドに横になってはいかがですか?」
「何言ってるのよ、ウンバラ。私、魔人だから身体だけは丈夫なのよ」
「でも頭の疲労はあまり魔人も人間も関係ないと思いますし────」

「アンタのおかげですっごく勉強になったわ。ありがとう、ウンバラ」
「姫様……!」
「で。今日は一緒に出掛けるんでしょ? 早く出掛けないと、一日はあっという間に終わっちゃうわよ」
「……そうですよね! 思えば、姫様がシャロンたちの誘いを断ったのも、私とのラブラブルートへのフラグだとしたら、それはそれでれっきとしたウンアス恋愛フラグな訳ですし!」

「……ウンバラ?」
「思えば、あいつらは姫様に近付こうとするけったいな輩な訳ですし、私が同情なんてする必要はどこにもなかったはず……!」
「おーい、ウンバラ〜? 何を一人で喋ってる訳? ────って、わっ!」

「姫様! そうと決まれば早速出掛けましょう!」
「ちょ、ちょっと待ってよウンバラ! 手、引っ張らないでよ!」
「姫様が言ったんですよ。一日はあっという間だって。まずはスークに行きましょう、スークに!」
「わ、分かったから! ────でも、何でスーク?」

「まずは一番イケ好かない野郎であるセラに、私たちのラブラブな姿を見せつけてやりたいんです!」
「……多分開口一番に“誰?”ってなりそうだけどね」
「それから一緒にケバブを食べましょう! 姫様とのランチですよ、ラ・ン・チ!」
「別にいいけど、そんなにランチがしたかったの?」

「はい〜♪ 姫様の口元についたケバブを私が取って食べちゃう、なんてのをやってみたくて」
「アンタさ……映画やドラマの見過ぎじゃない?」
「それで、キングダム・ストリートやキングダム・ラグーンを一緒にお散歩して、あとは夕日を背にしながら私が後ろから抱き締めて“俺じゃダメか?”の渾身の一言!」
「カンペキに自分の世界に入っちゃってるんだけど……。っていうか、ウンバラって一人称は俺じゃないでしょ。────まぁ、こんなにウンバラが楽しそうだし、いっか! ほら、ウンバラ、いっくわよーーー!」

「わっ、姫様! 急にスピード上げないでくださいよ〜! はっ! さては姫様も私とのラブラブデートを────」
「ネーミングセンスがイマイチだけど、何だかアンタが楽しそうにしてると私も嬉しいし、そのラブラブデートとやらに乗っかってあげるわよ!」
「姫様……ようやく私の愛に気付いて……! ひ、姫様〜〜〜!」

「ちょっとウンバラ! 走ってる途中に抱きついてこないでよ!」
「だって姫様が可愛いこと言うから悪いんですよ! もう、姫様大好き〜!」
「分かった! 分かったから今は離れて! じゃないとこけるーーーーーーーー!」





いかがでしたか…?
何かもうね、色々満たされすぎて!!^/^

デザキンのウンアスは、文月様がいつもメールの最後に…まさにこのSSのラストのような二人を…
様々なシチュエーションで送ってくれるんですww
その度にウンアスラブ!な熱が上がって嬉しくて大変なんですがww

そのウンアスに…薄桜鬼、ワンド、S.Y.K、夏空のモノローグを絡ませて…とか…っ!
たまらないですねーvv
どれも単体で萌えるのに…合体されて威力半端ないです!
きっと皆様もニヨニヨ止まらないかと…w



文月様。

素敵なお祝いありがとうございましたー!
色々ツッコミすぎて、文がまとまりません(笑)
SSLなんて、いつもの文月様の書かれるのがそのまま…という感じで、言うまでもなく、私は沖田さんと薫にK.Oですvv
アルバロに…アスパシアが殴る蹴るのツッコミ入れたらいいのに!と思いました(←)
玉龍はしれっと大胆ですよね!ごちそう様です!!
夏空!そんなメンバーが大好きですよ!!夏空満開ですね!ぶちょおおおおおおうっ!!大好きですよー!!私は無視しないっvv

最後はいつもながらの、ラブラブウンアスで…
いやもう豪華すぎですよ!また改めて御礼…言いますのでvv

・・・・・・というか、サイトのほうの後書き読みましたけど!
二世…二世が…っ!?
勘助×真奈が…っ!?
そこは捻じ込んでくださいっ!!(笑)

あ、今フラグ立てましたよ…v二世の…(←)

いつもいつも、ありがとうございます^^
私も次は…SSのお祝い…がんばってみようかな、とv