よしか様リクエスト




薄桜鬼:沖千SS
※よしか様のみお持ち帰り可とさせて頂きます。



『両想いでも恋煩い』
このお話は性描写があります。
 18歳未満の方は読まないでください。
 そういったものが苦手な方もご遠慮ください。




「たまに酔った勢いで物騒なことを言う人はいますけど…でもその場凌ぎで見栄を張っているだけだって周りの芸者さんは言っていました」
「そうか。・・・だが酔っているからこそ、隠している本音が露見する、ということもある。引き続き、その発言をした者たちにも注意の目を…」
「はい、わかりました」

島原の一角の店。その店の中の用意された一室に、芸者の格好をした千鶴は一通りの報告を斎藤にしていた。
土方から仰せつかった潜入の任務の最中である。
まだ戸惑うことは多いけれど、それでもこうして一日の報告を済ませると少しだけ安堵が込み上げてくる。

「・・大丈夫か?慣れぬやつらの相手をするというのは大変だろう」
「はい、最初は大変でしたけど・・大分慣れてきました。お役に立てるように頑張ります!」

『慣れてきた』

そんな千鶴の言葉を受けて、斎藤は苦笑いを浮かべた。
千鶴に慣れさせるようなことじゃない。いい、と言えることではない。
この言葉を聞いて、顔を自分以上に曇らせるであろう男の顔を浮かべて・・
その言葉をもし、聞かせてしまった後の千鶴の受難を想像して、斎藤は余計に顔を苦いものにさせた。

「・・今日はもういい。ゆっくり休め」
「はい、あの明日は…」

千鶴の続けようとした言葉を遮るように、「千鶴さん、逢状かかりました」と部屋の外から遠慮がちに声がかかる。
その言葉に、千鶴は小さくはい、と答えて、途端に頬を染めた。

「・・今日も、か。時間が延びるのを好ましく思っていないのだろうな」
「…そうかもしれません」

千鶴が報告をする時間は決められている。
その時間の後、毎日必ず千鶴には逢状がかかる。
任務とは関係なく、千鶴の許へとここに通う男は一人だけ。

恥ずかしそうにしながらも、嬉しそうな千鶴につられて斎藤も顔を和らげた。
千鶴がここに潜入することになってから、連日連夜、ここに通う総司が今も、早く来ないかと部屋で待ちわびているのだろう。
任務にもそれくらい熱心ならば・・とつい頭の隅で考えてしまう。

「では俺はこれで」
「はい。お疲れ様です」

千鶴に背を向けた斎藤の背中を見送った後、千鶴は押さえていた顔の緩みを我慢せずに、口元を綻ばせるとすぐに総司の待つ部屋へと向かったのである。



「千鶴です、失礼します・・・」
「うん。そんな丁寧にしなくていいから、早くこっちにおいで」

部屋の外から声をかければ、そんな総司の呼び掛けに。
千鶴は「はい」と返事をすると、すぐに戸を開けて顔をあげた。

部屋の中を見れば愛しい人の姿がそこに・・・・・・・ない?
あれ?と千鶴が戸惑いながら部屋に足を踏み入れると、髪飾りや着物で重みを増した千鶴をいとも簡単に攫う両腕に包まれた。

「っ!?…沖田さんっ驚かせないでください!」
「だって驚いた顔も可愛いから・・と思ったけど、ちょっと違ったね」

ふっと含み笑いをする総司に、どうせ可愛くないですと千鶴が口を尖らせると、それ、可愛いとすぐに口付けが下りてくる。
機嫌直して、とばかりに甘えるように唇を啄んでくる総司に、千鶴はどうしたって敵わない。

「驚かせようと思ったのに…千鶴ちゃん、僕がいなくて不安そうな顔してたよ」
「そんなの不安になるのが当たり前です」
「うん、驚くっていうより不安気な顔してた。…そういうのって何か嬉しいもんだね、僕がいなきゃダメなんだって実感が…」
「そんなことで喜ばないでください」

言葉を返しながら、千鶴は総司の腕の檻から逃れようとしていた。
部屋の入口付近で、まだ戸を閉めてもいない状態ですり寄ってくる総司に、嬉しい気持ちよりもまだ、羞恥の気持ちが強くなるのは当然で。
けれどそれを素直に告げれば、面白がってそのままでいようとするのが総司である。

「・・沖田さん、今日一日隊務でお疲れでしょう?」
「疲れた・・から今瘉してるんだけど」
「それなら、私お酌します!ほら、お酒も膳も用意されてるし・・」

ね、と千鶴が促せば、うん、そうだね。とすぐに頷いてくれて。
ほっとした千鶴の顔を見ながら総司は意地悪そうな笑顔を浮かべた。

「もうちょっと、ここで…恥ずかしがりながら僕に可愛がられる千鶴ちゃんを、満喫したらね」
「っ!?沖田さん!!わかっててしてるんですか!!」
「当たり前でしょ。」

千鶴ちゃん今日も可愛いね、僕の…芸者さん。と聶きながら首筋に唇をゆっくり這わせて。
ピクっと反応する千鶴を横目で見ながら、白粉を施した柔肌にゆっくりと指を這わせ、うっすら染めあげていく。
襟を広げ、まだ抵抗を強くする千鶴のこわばる肩に直接手を置き、そのまま自分の方に体を預けるように倒れさせた。
着物の上からやんわりと、幾度も幾度も全身を撫でさすっていく。

「・・沖田さん、本当に誰かに見られ・・・ん・・・っ」

足に力を入れて、振りほどこうとする力がどんどんなくなっていく。
意識をちらつかせるように、袂から差し込んだ腕はそのまま、千鶴の肌に吸いつくように導かれ、小さな胸のふくらみを撫でた。

「う~ん。見せつけたいような・・見せたくないような・・どっちもなんだけど・・・どうしようかな?」
「そんなっ・・・んっ・・!」

本当にこのまま進めかねない、と千鶴が慌てて胸を探る総司の手をのけようと腕を掴めば、そうはさせじと胸の愛撫に力を入れてくる。

羞恥を忘れるような気持ちよさに…次第に熱を帯びてきたのか。
熟れうような瞳で、とろんと総司を見つめる千鶴の首筋に顔を埋めながら、柔らかな胸を揉みしだいて。
充血してツンと立ち上がる突起に指を擦るように這わせれば、抵抗する声は甘く、切なさをともなってくる。

・・・・誰にも聞かせたくないに決まってるのに――

自分だけが知ってる千鶴。
昔の自分なら・・見せつけてやりたい。どれだけこの可愛い子が…自分を求めるか。
見せびらかそうとしたかもしれない。千鶴を何とも思っていなかったら、そう出来ただろうか…?

けれど今は…自分の方が千鶴を求めているのに。

誰にも見せたりなんかしない。僕の・・僕だけのものだ――

総司は、呼吸を乱しながら薄目を開けて、僅かな隙に咎むような視線を向けて来る千鶴の唇に、自分のものを合わせて塞いだ。
千鶴の舌をからめ取り、自分の舌で愛撫する。
舌が合わさって、合間に漏れるお互いの息遣いが感じる、それだけで頭の奥が痺れるような陶酔感が押し寄せてくる。
知らずお互いが、もっと、傍に…と身を寄せ合っていく。

「…っはっ・・・はぁっ・・・」

息苦しさに漸く唇をゆっくり離せば、千鶴は呼吸を取り戻すように肩を大きく上下させた。
頬は上気して熱っぽい目で総司を見上げる。
総司を求める目に、総司の方がとまらなくなる。
戸が開いたままなのを忘れて、総司の瞳にも熱が灯る。

千鶴が、欲しい――

すでに乱れかけた着物に手をかけようとして、千鶴の胸許に手を忍ばせながら、ツーとまだ見えぬ谷間に向かうように舌を這わせた。
ぴくんと揺れた千鶴は待ってと言うように総司の頬に手を添えた。
急くような気持ちを押さえて、総司は、んっと軽くその手に口を寄せる。

「誰にも見せないから・・いい?」
「・・・・・・・・・」

言葉はないけれど、それでも目を細めて頷く千鶴の瞼にちゅうっと音を立てて口付けると、総司はそのまま千鶴を抱きあげた。
戸を閉めて、奥へと抱き運びながら、その間も焦れるように深く唇を合わせて。
千鶴を体の下に組み敷くと帯を緩め、露わになっていく肌順々に唇を、指を這わせた。

「千鶴ちゃん、ここ、立ってる。気持ちいい?」

充血した乳首にちゅっと軽く唇をつけるだけで、小さく声が漏れる。

「そ、そんなこと…聞かない…・ぁっ…・やっ…」

千鶴の片方の胸を手で柔らかくいじりながら、もう一方の胸の乳首を舌で撫であげて。
舌先で強弱をつけてその一点だけを攻めながら、吸い上げる。

「ぅんんっ…・」

甘い声を零して、千鶴がその体をくねらせる。
時折びくっと震えながら、腕は総司にしがみつこうと伸びてきて。
自然頭を抱えられるような形になり、総司は千鶴の胸を揉みしだきつつ、頬で先端を掠めた後、舌で愛撫する。

「はあっ…あっ…」

とろんとした瞳を虚空に浮かべて、足を僅かに震わせる千鶴の太ももの内側をゆっくりさすりあげていく。
千鶴が無意識に閉ざそうとする足を押し分けて、ゆっくりと割れ目のくぼみに触れれば、すでにそこは熱く、愛蜜で満たされていた。
割れ目にそって指を滑らせ、襞を弄ぶようにすれば先ほどよりも強い嬌声が漏れる。

「ねえ、僕のこと、好き?」

指を埋めて、熱く絡まる蜜を掻き回しながら、千鶴に顔を向ける。
指を出し入れするたびに、ぐちゅっといやらしい音を立てて、それが羞恥を引き起こすのか千鶴の体はより赤く染めあげられていく。

「ぁ、あっ…す、すき…っ…大、す…んうぅっ…!」

「…うん、僕も大好きだよ」

喘ぎながらも返してくれる言葉に、たまらなくなる。
ぐちゅっとわざと水音を大きく立てた後、千鶴を愛でていた指を引き抜いて、その蜜に絡んだ指をを千鶴の前でぺろっと舐めあげた。

「…おいしいよ」

千鶴の腕に抱きかかえられたままの頭を千鶴に向け、上目遣いで目を細ませて。
千鶴が顔を瞬時に赤くするのを楽しそうに見つめると、口付けを一度落として千鶴を近くに感じたまま…
総司は起き上がった自身の先端を、千鶴の十分に濡れた場所にあてがった。

「ごめんね、…我慢できない」

もっと、可愛がってあげたいけど…それはまた後でねと千鶴の胸に顔を埋めて。
千鶴がその愛撫に切なげに声を漏らし、意識をそちらに向けたところで一気にねじ込んでいく。

「んぁっ…・ん・・・ん、ぁ、・・・・あぁっ!」

「くっ・・・・」

意識をもっていかれそうになるのをぐっと耐えて。
腰を使い、千鶴の中を擦るように突き、貫いていく。
じゅぷっじゅぷっと音を立てて激しく腰を突きあげると、、乱れた千鶴が身をよじりながら腕を離してしまう。
恥ずかしいのか、声が漏れるのを抑えようとしているのか、千鶴は自分の口元に腕を置いてしまった。

「・・・・っ・・・千鶴ちゃん…っ」

カリっと責めるように腕を軽く噛まれて、その間もずっと総司の動きに応えるように弾む体に眉を寄せながら千鶴がそっと腕をのければ。
総司が物言いたげな視線で見つめてくる――

…わかって、ます…

千鶴は総司に翻弄されるまま、微笑みを何とか浮かべると、その背中に腕を回した。
しがみつく形になって、お互いの乱れた声がすぐ耳元で甘くもっと熱を求めるように啼いて響く。

「・・・ずっと・・・そう、しててね」

「・・っ・・ぁうっ・・・は、いっ・・・・」

総司が腰をあげて一層むさぼるように突き立てて。
千鶴の腕も足も、総司に絡められて、もっと、とねだるようなその仕草と甘い声が、どんどん切迫したものに変わっていく。

「あっ・・・そこ、だめ・・・ぁあっ!!」

「っ…ここが・・いいんだよね?知って、るよ…っ」

熱く絡まる襞に痺れるような快感をともないながら、千鶴の中に深く突き入れる。

「…っも、だめ…っ!!…・っっ!っぁぁっ!」

ビクっと一段と跳ね上がった後、びくびくと弓なりに体を震わせる千鶴の体。
ぎりっと総司の背中に突き立てる指が食い込んでくる。
同時に総司を千鶴が熱く締めつけて、頭の中が真っ白になる―
どくんっと脈打ったそれは、愛をそのまま千鶴の中奥深くへとはなった。

心地よい疲れが広がり、ガクっと全身の力が一気に抜ける。
千鶴の上に倒れこみそうになりながら、総司はまだ息が乱れたままの千鶴の髪を優しく梳いて。
汗ばんだ額に軽く唇を落とした後、好きだよと呟きながら唇に・・触れるだけの唇を落とした。

この時が、一番…愛されている、と感じると言えば、総司は怒るだろうか?

千鶴はまだ意識がふわふわした状態で、それでも総司を優しく包み込んだ。
途端に総司の体重が千鶴にかかる。
暫く抱きしめあったまま、寄り添いあう二人の…大切な時間――




「・・・お膳・・・冷めちゃいましたね・・」
「ん~?別にいいよ。ご飯食べに来た訳じゃないし」
「でも、沖田さんはもう少しちゃんと食べないと…温め直せるものは温め直して・・・「いいから。君はここにいるの」

総司は千鶴を傍に引き寄せて座らせると、額を寄せた。

「それに・・・今は君でお腹いっぱいだし」
「・・・そ、そんなのでお腹は満たされません!」
「そうかな?他のがいっぱい満たされたから・・・もういらないんだよ」

ねえ?とからかうような視線を向けられて、千鶴は慌てて顔を逸らす。

「あ、お酌・・・します!お酌!沖田さん体冷えたんじゃないですか?」
「ん?冷えてないよ。むしろ温まって・・・「も、もういいですから!」

いつまで経っても千鶴が慌てるのを見ては喜ぶ総司に、千鶴は口を塞ごうとばかりにはい、と杯を持たせた。
最初は緊張したけれど、今では芸者らしく・・・出来ているのではないだろうか。
コポコポ・・とゆっくり酒を注ぎ、どうぞ、と笑顔で勧めれば、何故か顔が曇っている。

「・・・?沖田さん、吞まれないんですか?」
「・・・千鶴ちゃん、何か一連の動作が慣れてる感じがする・・こう芸者らしい仕草とか・・物腰とか・・・」
「そう思いますか?私もそう思うんです。これで潜入任務ももっと自信を持って出来…痛っ!!」

ビシっと手刀が振り下ろされたような…どうして?

しかも結構本気で痛かったと、千鶴が恨めしげに総司をみれば、満面の笑顔で、それはもうとびきりの笑顔で…

「慣れたってことは…それだけ場数踏んだってことだよね」
「え、はい。それはそう…痛あああい!」

今度は頬をつねられた。

「潜入しても君は様子見るだけで、相手はしなくていいって言ったよね。僕言ったよね?」
「でででも!土方さんがおまえの状況判断に任せるって・・・そうしないと会話なんてなかなか・・・っ!わぷっ!」

抱きしめられて、頭をぐりぐりされています。

「・・・僕の言うことが君には優先事項だよ。…大体・・人の彼女を勝手に・・・ひどい副長だよねえ・・」
「沖田さん、顔が怖いです、怖いっ」
「それで、そこまで頑張って何か成果はあったの?」
「・・・・・・・そこそこ」

ここで、そこまで明確には・・・などと言えば、余計怒らせてしまいそうで。
千鶴は曖昧に返事をしたのだけど。

「へえ、そこそこ・・・ねえ・・じゃあまだ続きそうってことだね」
「そう、ですね」
「・・・芸者に忠実になりすぎて、他の人に懐かないでよ?」
「そんなことっ!それだけは絶対ありません」

即答する千鶴に、総司はにんまり笑顔になりながら、「どうしてないの?」とわかりきったことを問い返してくる。

「・・そんなの・・沖田さんにだけです」
「…そ、じゃあ変な客に心売ったりしないでよ、約束ね」
「私の心は・・沖田さんで売り切れてしまったので大丈夫です」

ふふっと笑う千鶴に、つい、柄になく顔が赤くなる。
総司はごまかすように言葉を続けた。

「僕の心は売り切れてないけど・・」
「そうなんですか?」

近藤さんで売り切れているんじゃ・・と千鶴が首を傾げる中、そんな千鶴の気持ちをわかっているかのように顔を覗きこんでくる。

「君を想う気持ちは・・尽きないから・・売り切れないよっていう意味だよ、千鶴ちゃん」
「・・・・・・・そんな言い方・・ずるいです・・・」

今度は千鶴が真っ赤になって、自然に唇を重ね合う。
額を合わせたまま、至近距離で見つめあうのがくすぐったい。

「・・・・・お腹空いた」
「やっぱり・・待っててください、すぐに温め・・」
「ご飯じゃなくて、こっち」

また後で、可愛がってあげるって言ったよ?と小さく笑いながらそのまま…
もう一度千鶴に、今度は熱のこもった口付けを落とした。

千鶴のいない屯所に戻らなくてはならない朝なんて、来なければいいのに――

『君がいなくて寂しい』

言葉にするのは・・何となく悔しい。
だから、感じて。
僕の気持ちをちゃんと・・感じて・・・

朝、一人になった時、昼、君をどこかに探してしまう時に・・僕の心が寂しくならないように・・

自分でも驚くほど、掠れた弱い声で君に願う。

責任持って、僕を愛してよ――












END










よしか様

沖千SSリクエストありがとうございます!
せっせと通う沖田さん…せっせ感が足りない・・気がしますが^^;
そ、それに艶描写!
すみません!!初めて書いたので…こんなもので勘弁してくださるとっ<m(__)m>

とにかく、恋人設定ですし。
甘めに!を心がけたつもりです。
その…性描写も沖田さんならもっと…攻めるのがすごいんじゃ…とか思ったりしたんですが(←)
甘めということで優しい感じにしてます(笑)

千鶴に弱い、千鶴大好きなうちの沖田さんが全面に出ていますが、楽しんで頂ければ何よりです!
最初に斎藤さん出したのは…その、潜入してるんだよっていうのを少しでも出したくてです。
あと、斎藤さんとのやりとりで、沖田さんと千鶴が屯所でも公認なんだよ~っていうのを出したつもりなんですが…
説明してる時点で…ですね(>_<)

とにかく素敵な…萌えるリクエストありがとうございました!!